キムのゲームというのをご存知ですか?
これは、イメージ形成の初期的な訓練法なのです。
盆の上にいろいろなものを並べて上から布で覆い、その後、被験者の目の前で布をサッと取り去り、暫くの間、それらの物をじっと見つめてもらいます。

そして再び布で覆い、被験者に覚えているできる限りの物品の状態と位置をできるだけ多く書き留めて貰います。

このゲームをするなかで、ある物品だけが、ほとんど例外なく、忘れ去られている、または思い出せないということがあります。それは、自分の心の中に、自分では気づいていない、何か特殊な心理的事由が生じているために起きるのです。
この何度も忘れ去られてしまう物を、瞑想の出発点として使うことによって、被験者の潜在意識の深みから、面倒を引き起こす特殊な妄想やコンプレックス(=抑圧された感情)を浮かび上がらせることが出来ます。
そして、この妄想、コンプレックスが解放された暁には、ゲームの中で用いた他の物品と「どこかが違う」という感じは、もうなくなってしまっているのです。
実は、このゲーム(実験)はW・E・バトラー著「魔法入門」という本のなかで紹介されていたものです。
魔術というとなにかオカルトで胡散臭いイメージを持ちますが、この本はそんなイメージを吹き飛ばすほど、すばらしい本です。
バトラー自体、「魔術とは、太古から伝わる精神変容の秘法である。」と定義付けしていますので、NLP、催眠術などのような何かトランス心理学の本を読んでいるような感じさえ受けます。
もともとオカルトという言葉は、ラテン語のocculereの過去分詞「occulta」(隠されたもの)を語源とし、19世紀に復興したキリスト教以外の異教などの人知を超えた神秘の知識ことを指していました。
現在では、この概念をもっと押し広めて、正当的な科学、伝統宗教から外れた疑似科学、異端宗教、民間宗教、宗教的俗説の考え方や知識のことを指しているようですね。
まあ、分かりやすくいってしまえば、現在のお墨付き以外の思想や知識といったところでしょうか。
でも、この本を読めば、オカルトが本来の意味通りに「隠されたもの」であることを、実感することと思います。
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