意識のハード・プロブレム

「知覚する」とは、いったいどういうことでしょうか?

普通一般的は、外部の事物から印象を受け取り、脳に「表像」「内的イメージ」が作られることによって知覚がなされると考えられています。

このことをもう少し詳しくみていくと、例えば、笛の音が鳴る場合には、その知覚はこのようになされていると説明されます。


笛 → 音波(空気の振動) → 鼓膜 → 蝸牛 → 有毛細胞

    → 周波数スペクトル → 神経細胞の興奮 → 笛の音「ピー」を知覚


この一連の流れの最後の部分で、笛の音という意識体験をすることになります。この意識体験の内容(対象)のことを「クオリア( Qualia 感覚質)」と呼んでいます。何か液晶TVの名前みたいですね。でもこっちが本家です(笑)。

ある周波数の音波が鼓膜に届くと、脳内処理により「バー」でも「ムー」とでも聞こえていてもいいはずなのですが、あなたには「ピー」と聞こえます。これはIT用語でいうところの「デフォルト(暗黙の規定、初期設定)」といわれるものと同じです。でも何故「ピー」なのか? それに決定した理由・原因がなんなのか? このような主観的な体験にはある質感(=クオリア)が伴う筈なのですが、どういう経緯でその質感が構築されたのかがまったく説明できないのです。

いったい初期値は、誰が与えたのだろうか?
赤ちゃんであるあなたが、自ら構築したというのでしょうか?

さらに話を続けますと、笛から神経細胞の興奮までは、物理現象と情報処理から充分説明がつくのですが、脳内で再現された笛の音というクオリアから、どのように知覚という意識体験が発生していくのかは、現在のところまったくの謎なのです。

「物質としての脳から、どうやって意識が生まれるのか?」

実は、この疑問は心理学で「意識のハード・プロブレム」と呼ばれている内容なのです。どのように回答にアプローチすればいいのかさえ不明で、また回答を得ること自体可能なのか?というほどの難しさ(ハードさ)を抱える問題のため、このように呼ばれています。

まさに、物質と精神の境界問題です。

informationswissenschaftSS.jpg

でも、それは違うとR・シュタイナーは語っています。
そもそも、物質の反応で意識(心)が作られるのではなく、意識(心)が身体感覚機能を利用しているという立場をとります。

「人間は皮膚の内側にだけ、留まっている存在ではないのです。花束を見ると、人間の自我とアストラル体はその花束のなかに入っていきます。人間の身体は【反射器官】なのであって、単に事物を反射するだけなのです。自我とアストラル体は地平線を越えて広がっています。そして、目覚めている意識状態の時、人の自我とアストラル体の本質的な部分は、物質体とエーテル体のなかに入っているのです。」

つまり、シュタイナーの説明では、こうなります。
※注 「アストラル体」は、自我にまとわり付く感情想念体と考えて貰うと理解しやすいと思います。


神経細胞の興奮 ←・・・・・← 鼓膜 ← 音波(空気の振動) ← 笛
   ↓
笛の音「ピー」を知覚
   ↑
自我&アストラル体(本質部)
   ↑ 
自我&アストラル体(周辺部)===笛


人は外界の現象を身体に取り入れて脳内で再現し、それを自我の本質的部分が周辺部から得た情報を基に意識体験している。まあ、確認作業のようなものですね。確かに、これなら、身体は【反射器官】だと言ってもよさそうです。

「ほんまかいな~?」

でも、このことは下記のように説明すれば、理解し易いでしょう。

睡眠中でも呼吸や新陳代謝等の活動は停止せず、身体機能はすべて正常に動作していることから、人は寝ていても音は脳に届いていて、実際のところ聞こえている筈です。

しかし、催眠中は自我やアストラル体の本質部分が身体から離れてしまっていて、脳内に再現された内容と意識体験(=照合作業)がされない為、笛が「ピー」と鳴ったことを知覚できないのです。

このことは、目隠しされた状態で音を聞いた場合、音を発する事物に自我とアストラル体がズッポリ入ってないため、周辺部からの情報が少なく、何の音であるか、はっきり知覚できないということが起きるのです。(※このことから、意識のフォーカスには視覚が重要であることもわかります)

一応、筋は通りますね(笑)。

このように、物質から意識ができると考えさえしなければ、「意識のハード・ブロブレム」も意外と簡単に解けてしまうのではないでしょうか。

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コメント

コメント(6)
本当に
難しい問題ですね。
 
初めて「投影された宇宙」を読んだ時と同じ感覚が蘇ってきました。

本当に、色もですが他のものも、皆が皆同じものとして捉えているんでしょうか。

一番知りたかった事でした。

daikonhana

2006/10/20 23:49 URL 編集返信
daikonhanaさんへ
推敲途中の下書き記事をUPしてました。
内容が支離滅裂だったと思います。
(それにコメがつき、正直焦りました!)

今回、記事も完成しましたので、もう一度読んでみてください。
ヤッズ★なりの解答を書いたつもりです。

ヤッズ★

2006/10/20 23:53 URL 編集返信
すっきりしました
力作をありがとうございました。
理路整然としていて感心いたしました。

前回の記事は、がで始まっていたり、前後が繋がっていなかったので
内容が飛んでいることは直ぐにわかりました(笑)
でも、言わんとしている事は理解できましたので。

実は昨日は朝から一日シュタイナーの関する物を読んでいました。
いつもなら難解なシュタイナーの説明が入って、とてもわかりやすくなりました。

見方を変えることにより証明できることは、これからも沢山出てきそうですね。

5次元世界を証明したリサ・ランドール博士も、そうすることによってきっかけが掴めたんだと思います。物理学者にしては珍しいタイプですね。

daikonhana

2006/10/21 03:02 URL 編集返信
daikonhanaさんへ
再びコメントありがとうございます!

>見方を変えることにより証明できることは、これからも沢山出てきそうですね

ほんとうにそうだと思います。
現代科学の扱う領域が、既に物質と精神の境界にまでに達して
しまったのですから、それをブレークスルーするための
何らかの新しい思想や観点が必要になってきた気がします。

>5次元世界を証明したリサ・ランドール博士も、そうすることによってきっかけが掴めたんだと思います。物理学者にしては珍しいタイプですね。

女性特有の繊細な感性により、可能だったのかもしれません。
野暮で強権的な男のロジックでは、決して気づかなかったのでしょう。
21世紀は、希薄なものを感じ取れる感性が重要な気がします。

ヤッズ★

2006/10/21 09:39 URL 編集返信
無意識下の情報
こんばんは!…じゃなくておはようございます、かな?

ヤッズ★さんの記事にあるのは、意識=顕在意識での知覚ですよね。
以前、「7:10,000の法則」というのを聞いたことがあります。
これは五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)と第六感といわれる勘や予知、さらに生命の源といわれる第七感、7つの感覚で顕在意識は世界を認知しているけれど、それに対して潜在意識は1万もの情報を得ている、というものです。
つまり、あまり印象に残らないような出会いや出来事でも潜在意識下には膨大な情報が加えられているというものです。

いわゆる植物状態で意識のない人に話しかけると、反応はないけど耳はちゃんと話を聞いているということもこれで説明がつくのかもしれませんね。

ヒロリン

2006/10/22 06:27 URL 編集返信
ヒロリンさんへ
こんばんは、ヒロリンさん

>以前、「7:10,000の法則」というのを聞いたことがあります。

顕在意識は第7感まであるのですか!
それも驚きなのですが、さらに潜在意識は第1万感なのですね!
そして、そのそれぞれが異なるセンサーで異なる情報を収集して
いるとは、まさに驚きです。

>いわゆる植物状態で意識のない人に話しかけると、反応はないけど耳はちゃんと話を聞いているということもこれで説明がつくのかもしれませんね。

植物状態の人と睡眠中の人は同じような意識レベルでしょうか?
この点をヤッズ★はとても知りたいと思ってます。
植物状態の人はイビキをかかないとだろうから、やはり、もっと深いレベルだろうとは思います。たしか、以前の記事で、昏睡状態はフォーカス22となっていましたから、これは三途の川を渡ってしまった状態ですね。
霊界と会話できる装置の発明は、この辺にヒントがあるかもしれない!

ヤッズ★

2006/10/22 22:38 URL 編集返信
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