認識の小道

引き続き、ルドルフ・シュタイナーの『霊視と霊聴』を読んでいます。

実は、本を買ったのは随分前(5年前!)なのです。買った時に読み始めたのですが、あまりの難解さに途中(←かなり前のページ)で、ついて行けなくなり放置状態となってしまいました。

最近、驚異的なシンクロ等が沢山あり、再び読み直してみようと思ったのです。読んだ感想は、以前よりは理解できたなぁという感じです。でも、まだまだムズイ本です。シュタイナー自身も読み解かれるのを待っていると言っているほどです。まるで、パズルです。他の著書と読み比べしないとよく理解できません。まあ、それだけ奥が深いというわけです(汗)。

この本の中に、高次の世界(超感覚的世界)へ至る正しい方法「認識の小道」について、シュタイナーが述べていましたので、他著「神智論」を参照しつつ、今回はこれについて書きたいと思います。


■第1段階…「思考作業」の強化
これは、高次の世界に参入した際に唯一の拠り所となるのが、自己の思考(悟性)であるからです。この作業の強化なしに高次の世界に触れると、夢想や怪奇な空想に陥る危険性があります。何故なら、物質界では色、光、熱、冷たさ、香り、味、触覚、聴覚の印象から知覚活動しますが、高次の世界では知覚方法が異なり、その知覚を自らコントロール下に置く必要があるからです。そのためには、明晰な論理的思考こそが、高次の世界への参入者が最初に会得しないとならないものなのです。訓練方法としては、1日のある時間の間、ある一定の思考に沈潜し、その時、別の思考が入り込まないようにします。

例) 高次の世界、人間と進化、輪廻転生とカルマ、アカシック・レコード等について考える。


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思考強化訓練を「面倒くせ~なぁ」と言って、フィーリングや感情に全て委ねきってしまうことは、御法度であるとシュタイナーは語っています。強固な思考なくしては、この高次の世界を地図なしで歩くことに似ており、夢想、空想に陥るというわけです。

与えられたテーマについて思考することはできますが、正しい答がなければ、正しく論理的思考をしたのかどうかも分かりません。まあ、シュタイナーは思考することに自体に意味があるように言っているので、この点はどうでもいいのかもしれませんね(笑)。


■第2段階…「判断尺度の排除」と「肯定的受容」
自己の心の中にある、好き嫌い、愚か賢い等のあらゆる判断を控え、その尺度すら取り去ってしまい、完全に「無私」状態に没入すると、他者が流れ込んで来ます。その印象を何の尺度も持たずに身をさらし、その物や事物自体に自分を語らせるように仕向ける。そして、それが語ることを自己の思考領域内で展開します。そうすることで、やがて自分の周囲の高次の霊的事実(=真の存在意義)を受容できるようになります。

例) 自分が嫌悪する相手に対して、一切の嫌悪感を抑え、その人の側に立って考えてみる。


シュタイナーは、全てのものに隠された性質があり、好感・反感、快・不快等の感覚が、曇りガラスのように感受性を曇らせてしまい、隠された性質を見えなくしているといっています。

自分の感じ方を優先しないことで、その隠された性質が表に現れ出て来て、やがて、すべてに渡り繊細に感じ取れるようになるとのことです。

有名な説話のひとつに、イエスが道端で死んで腐敗しかけているイヌをみて「このイヌの歯は、なんと綺麗な歯をしているのだろう」というのがありますが、どんな「醜いもの」にも「美しいもの」が潜んでおり、それを感じ取るれるような心魂が必要なのです。


■第3段階…「快・不快」を媒介とし「物事の本質」をみる
自分の心に快・不快、喜び・痛み等のの感情が生じた時、それに喜んだり、落ち込んだりしなければ、それだけ、うつろいゆく印象に左右されないで済みます。「快」があるがゆえに人はそれに依存してしまい、「物」において自分を失ってしまうのです。落ち着きを持って「快・不快」を受け入れる必要があります。そして、それを通して物事が語りかけようとしていることをみるように努めなくてはなりません。つまり、「快」とは「快」を及ぼすに相応しい性質をその物が持っていることを知らねばなりません。「快」に留まり、それを受け入れただけでは、享楽にまぎれた自分でしかないのです。

例) 快・不快が、自己に語りかけることに耳を傾ける。


人間の内側に過ぎなかった快や痛みが、それを通して外の世界を知覚するための感覚器官となるのです。やがて本当に感覚器官として生成され魂の目となるのです。これは「蓮華」と呼ばれます。

実は、滝行の効果はここにあるのではないかと、ヤッズ★は睨んでいます。つまり、脳天を直撃する大量の冷水による何とも言えない痛みと感覚麻痺を、真言を唱えることで精神集中しその痛みに耐え、「不快」を受け入れることを続けることで感覚器官を形成しているのではないかと考えます。実際、滝行を修することで、仏の声を聞いたとか、観音様のお姿を見たとかの、いろいろな超感覚現象の報告がありますよね。

また、天理教の教祖:中山ミキ(極貧の生活)に代表されるように、霊能力を開花させた人たちの多くは、人生の中で非常に辛い体験をしています。この苦しみの期間に心の痛みという「不快」を受け入れることで、知覚する感覚器官が養われたのです。

ただ、霊能力を開花させても第1段階である思考力が疎かであると、夢想、空想と似たり寄ったりの状態となってしまいます。ですから、プラトンはアカデメイア入門者には、まず最初に数学を学ぶように科していたそうです。
■アカデメイアは、実は秘儀参入の学校で、数学を研究していたのは思考力強化のためであるという説があります。プラトンの「イデア論」は、目に見える現実の世界「現実界」と、その元型となる完全・真実の世界「イデア界」に分けてた理論です。これには秘儀参入が不可欠です。実際、「饗宴」の中で、女魔術師・ディオティマによってエロスの秘儀的解釈が説かれますが、これはその手の知識に通暁している証拠です。

では、痛みを受け入れ、語りかけられる「物事の本質」について考えてみましょう。妊婦が出産の痛みに耐えている場面とプロレスラーが卍固めで痛みに耐えている場面で考えてみますと、はっきり違いがあることが分かりますよね。一見同じような痛み(?)なのですが、本質的には全く違うものなのです。

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■第4段階…「霊界の住人」となる
前述した性質を身に付けると、自己の性質に関りなく、周囲に本質として存在するものを自分に働きかけさせる準備が整います。思考する存在として、霊界の住人になるのです。善なる霊界の波動がキャッチでき、霊界の真相が開示されます。また「高貴なる美」「永遠なる真」といった霊界の法則に沿った思考や行動を取るようになります。


霊界の住人になるといっても、あっちの世界に行ってしまうわけではないのです(笑)。
この物質界に居ながら、霊的な事実を感じ取ることができるのです。
霊を見たことがある人は、このレベルだと思います。
(このレベルの人は見るだけで、会話はできてないと思います。)


■第5段階…「叡智の弟子」となる
超感覚的世界への展望が開け、《人類の偉大なる霊的な導きの力》より秘儀参入を授けられる。こうして「叡智の弟子」となるのです。その時、彼は超感覚的世界に意識を持った住人となるのです。つまり、より高次の場から霊的見解が泉のように湧き出て、彼に向かって流れてくるのです。「叡智の弟子」は霊そのものと会話ができます。霊を何らかの姿でイメージするのは迷信なのです。

例) 石、植物、動物、人間を含む森羅万象が、宇宙の真理を語りかけてくるのを聴く。


これもこの物質界に居ながら、色、音、触覚、味、臭いの五感にプラスして、追加された知覚を使って物事を認識できるということです。

例えば、ここに煙草があります。
これを臭覚だけで認識しますと、「う~ん、煙草の匂いだ」程度です。
これに味覚を足すと、「うっ!苦いぞ」となりますね。
さらに、触覚を加えると、「柔らかな細い円筒形だ」となります。
聴覚を加えて、「ガサゴソ、おっ、ボックスタイプだな」
最後に視覚を加え、「あっ!キャビンSUPER MILD(ブルー)ボックスだ」となるのです。

超感覚世界の住人ともなれば、これら五感以外の感覚の上にさらに上乗せされます。
「おお。。。これは○○○のコンビニで買われたもの」
「これは、幻想と停止いう象徴をまとっている」
まるで、ラーメンのお好みトッピング状態です(笑)。

また、このレベルでは霊的存在と自由に語り合うことができるのですね。
江原さんや美輪さんは、きっと、このレベルなのでしょう。

(■参照:神智学(森章吾訳)96P~「認識の小道」)

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コメント

コメント(6)
どうも~
ヤッズさん、こんばんは♪
幸せ天使です。

ロンドンチックなデザインに変えられたんですね。
おしゃれな感じですね~。

シュタイナーは難解ですが、よく読んでみるとスピリ
チュアル系の本に書かれていることと同じようなこと
を言っているのだなと気づくことが多いです。

高次の世界へと至る段階があるんですね~。わかり
やすく書いていただきまして、ありがとうございます。

幸せ天使

2006/09/25 22:43 URL 編集返信
幸せ天使さんへ
>ロンドンチックなデザインに変えられたんですね。
KITCUTが好きなので、何故か気にいって変えてしまいました。
それとも、次元上昇したのかもしれません(笑)。

シュタイナーは、ニューエイジの母体となったマダム・ブラバツキーの神智学協会の影響をかなり受けていますから、っていうか、神智学協会のドイツ支部長だったから、かなり共通してます(笑)。

ヤッズ★は、マダム・ブラバツキーは眉唾だと思っていますが、シュタイナーに関しては、シュタイナー教育や農業で、かなり効果があり、また実績がありますので、白眉であると思っています。

いつもご訪問感謝いたします。

ヤッズ★

2006/09/26 00:27 URL 編集返信
参考になりました♪
楽天ブックスが1/31まで送料無料で、何かもう1冊本を買おうと思いまして、シュタイナーの本を見てました。
シュタイナーの本は難しいのも多いので、内容が概要だけではわからず、誰かコメント書いてないかと思い、検索したら、なんとヤッズさんのところにたどり着きました。お久しぶりです、どーも!
とても参考になります。購入してみます。
私の場合、テレパシー風に人の気持ちを読むことはあっても、霊聴は全くないのですが・・・。声できこえてきたりはしないのですね。霊とは縁がないです。(見えたくないと思ってるので、普段は全く見えません)

いろいろためになることが書いてそうなので、たまにだけでなく、ヤッズさんの過去の記事を読み返してみようと思いました♪


あまりん

2007/01/30 03:40 URL 編集返信
あまりんさんへ
コメントありがとうございます!
いやぁ、本当にお久しぶりです。こちらこそです。

>私の場合、テレパシー風に人の気持ちを読むことはあっても、霊聴は全くないのですが・・・。声できこえてきたりはしないのですね。

テレパシー的に読めるだけですごいですよ。
シュタイナーによると、霊聴といっても声が聞こえるとはいってませんね。
ありまんさんのようなテレパシックな感じだそうですよ。
ただ、もっと上のレベルになると会話できるみたいです(笑)。

>いろいろためになることが書いてそうなので、たまにだけでなく、ヤッズさんの過去の記事を読み返してみようと思いました♪

ヤッズ★ブログは自分の勉強ノートがコンセプトですから、過去の記事は、本当にしょーもないのもばかりですで、恥ずかしい限りです。

ヤッズ★

2007/01/31 00:34 URL 編集返信
なんて素晴らしい記事なんだ!!
感謝します。
非常にわかりやすくシュタイナーの要点を解説してくださって。
この記事を何度も読みます。

明晰で自主的な思考。
精神領域の完全なる自律。

こういった訓練を怠っている限り、
我々の精神は怠惰になり、自分以外の何者かによって簡単にコントロールされてしまうのではないか。という危機感を持っていたところなのです。

シュタイナーの格調高さには脱帽です。
昔の人は本当にすごい人が多いですね!

虚春

2007/12/23 20:24 URL 編集返信
虚春さんへ
コメントありがとうございます!

>なんて素晴らしい記事なんだ!!

再び読み直してみると、昔はこんな格調の高い内容の記事を書いていたのか!!!
で、今は「萌え」「俗物神ガネーシャ」明らかに劣化してきている???(爆)

>こういった訓練を怠っている限り、我々の精神は怠惰になり、自分以外の何者かによって簡単にコントロールされてしまうのではないか。という危機感を持っていたところなのです。

書店の精神世界コーナーに行くと、守護霊、幽霊、悪霊、天使、神、宇宙パワー、カルマ、引寄せの法則、因縁、オーラ、気、怨念、もうありとあらゆる観点から書かれた世界が広がります。

しかも互いの内容が相反してる場合も多い(爆)。他のカテゴリーには見られない傾向です。

でも、これが物質ではない精神の世界の実体なのですね。だから何でもありになる。こんな世界に踏み込むには、迂闊に信じ込まない「明晰で自主的な思考」が絶対必要だと思います。

ヤッズ★

2007/12/24 16:10 URL 編集返信
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