今まで、腐敗しない遺体の記事を書いてきて、何故、ヨーロッパ、特にキリスト教関連だけに集中しているのか、という疑問をヤッズ★は持っていました。
「キリスト教が、真の神の宗教であるから、奇跡が起きる。」という理由付けには、今のところ、反論もできないし、賛同もできません。
同じキリスト教でも、正教会(オーソドクス)にはそのような事例はありませんし、今まで上げた事例もどちらかというとマリア崇拝というキリスト教の本流から外れたところで起きているからです。
では、仏教世界、特にアジアで腐敗しない事例はないのだろうか?
という思いを持っていたのですが、最近、中国の親友から、まさにその事例を教えてもらいましたので、ここに紹介します。
1974年、中国の湖南省長沙市の東郊4キロ行った瀏陽河沿いの土盛りで出来た丘で、20世紀最大級の遺跡の発見がありました。
その遺跡の名を「馬王堆(まおうたい)」といいます。
墓には1000余りの副葬品が納められており、発掘調査で「長沙丞相」「大侯之印」「利蒼」の三つの印が発見されたことから、墓の住人が前漢時代(約2200年前)の長沙国丞相利蒼とその家族であることが判明しました。
■復元した等身大シリコン人形この遺跡の最大の謎は、長沙国丞相の妻が、推定50歳代で亡くなり葬られたのですが、その遺体が全く腐敗していなかったことなのです。
彼女の名を「辛追」といいます。
その遺体の肌は指で押しても元に戻る程柔らかく弾力があり、、間接を曲げることすら出来たそうです。また、髪の毛も全く抜け落ちておらず、当時そのままでした。
発掘後、ホルマリン漬けしてしまった為、現在の皮膚は白くなってしまいましたが、発掘した当時は、赤みを帯びた色をしていました。
今でも、中国の博物館でその姿を見ることができます。


先の記事の腐敗しない遺体とは、明らかに異なります。
キリスト教関連のは、ロウ化する「死蝋(しろう)」というのに対し、こちらは生身であり「湿屍(しっし)」と呼ばれています。
この「湿屍」は、文献(「史記」、唐代「博異志」)上にも、いろいろ出てきます。
古代中国の墓からは、たびたび、このような信じられない保存状態の良い遺体が見つかっていますが、湿屍のメカニズムは、未だ不明だそうです。
キリスト教関連以外でも腐敗しない遺体があることで、ヤッズ★には「不腐敗の奇跡は、神の恩寵ではない。」という、ひとつの確信が生まれました。
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